「起きろ、成歩堂…」
夢うつつで、御剣の声が聞こえる。
もう朝なのか…、起きなきゃ。
でも体が動かない。
「もう8時だぞ」
うん、解ってるよ。でも眠たくて…
早く、早く起きなきゃ…
「ほら、起きないと…」
クス、と御剣が笑んだ声が聞こえて、一気に意識が覚醒して勢い良く瞳を開く。
ぼくの視界には、ナイフの刃。
…早く起きないと、殺される。
「…おはよう。」
花が綻ぶように笑うきみは、手に持っていたナイフをベッドに放り出してぼくにキスをした。
御剣は隙あらばナイフを向けてくる。
冗談の時もあれば本気で殺そうとしている時もある。
眠っている時には、手を出さないと言われてるけど。(ぼくの表情が変わらないかららしい。)
殺したいくらい愛してる、なんて愛情表現にもう慣れてしまった。
「ぁ…」
きみの唇から細い吐息が洩れる。
肌を爪先でくすぐるようになぞると、その身体が小さく震える。
押し倒すように上に乗ったぼくは、そのままきみの胸の突起を捉えた。
「んッ…!」
敏感な身体が跳ね上がり、御剣は瞳を閉じた。
「乳首、スキだよね」
クスクスっと笑いながら、押しつぶしたり引っかいたり優しく撫でたり、立ち上がった粒を蹂躙する。
「ぁ、あ、や…、やぁ…!」
反対にも手を伸ばし両手で弄ってあげると、シーツを握り締めて可愛い声を上げてくれた。
それでも反対の手は、シーツを滑って何かを探している。
「こら」
片手を胸から離してその手首を捕まえると、肩が跳ねた。
投げ出されたナイフに届かなかったきみの指先に指を絡めて、空いた方の胸に唇を這わせる。
ひ、と喉を鳴らして反り返る身体を良いことに、刺激を与え続けた。
だんだん快感にとろけていく表情を上目に見やって、胸だけを刺激し続ける。
きみが何かを欲しがるように腰を揺らして甘く吐息を洩らしても、気付かない振りをして。
「なる…ほ、ど…」
誘う声も無視して、行為に没頭していたら、突然きみが腕を振り払った。
反応仕切れずに手を離してしまい、その右手がきゅっとナイフを握る。
そして、冷たく銀色に閃く切っ先は、勿論ぼくの喉元に。
今にも先端が皮膚を傷つけそうなギリギリのところで、濡れた唇が囁く。
「…はやく」
ちくりとした痛みに似つかわしくないほど甘い声と、潤んだ瞳で強請られる。
…ズルい。
「はいはい」
指先を滑らせて、ベルトに手を掛ける。
その間にも切っ先は突きつけられたままで、僕は苦笑しながらその衣服を剥いだ。
ズボンと下着を抜いて脚の間を撫で上げると、既に立ち上がっている彼の物が目に入る。
頭を動かすと血が流れかねないから、視線だけを動かしてそちらを観察していると下から睨まれた。
「…刺すぞ」
あー、はいはいはい。
真っ赤な顔だと、凶器も全く怖くないよ。
「解ってるって」
「なら…っ、ん」
愚痴愚痴言われる前にと、きみのものをきゅっと握り込んでそのまま軽く上下に擦る。
びくんと震えた拍子にナイフが刺さりそうになって、反射的に身を反らした。危ない…
快楽を与えられ抵抗が無くなったのを良いことに、ナイフを奪い取ってベッドの下に投げ捨てた。
御剣は、あ、と小さく声を出して音のした方を見たが、すぐにその瞳は臥せられてしまう。
突然、先端に爪を立てられたからだろう。甲高い悲鳴のような嬌声を上げて両腕でぼくにしがみついてくる。
その身体を空いている手で抱き締め、耳元にキスをしてそのまま舐め上げた。指先は敏感な部分をなぶる。
ぞくぞく、と御剣の背筋を快楽が走り抜けていくのが、動きから読み取れる。
耳に息を吹きかけながら、背中に回した腕を下に下ろしていく。
なだらかなラインをゆっくりと這う指、対照的に素早く擦る指に、御剣は期待するように熱い吐息を零した。
爪先で擽るように触れてカリカリと入り口を刺激すると、そこがぴくぴくと収縮している。
彼自身をいじめていた手を離すと少し残念そうな顔でぼくを見上げてきたけど、気付かない振りをしてベッドサイドに手をのばした。
手に取った潤滑剤の蓋を開け、M字に開かれた彼の脚の間に垂らしていく。
「ひゃんっ」
どろりと落下した液体が冷たいのか、きみが甘い声を上げる。
「冷たさでも感じちゃうんだね…?」
思う様その下半身を濡らして、瓶をベッドサイドに置いた。
期待する目をしたきみの身体に、指を這わせる。
それだけで過剰に声を上げる御剣が可愛くて堪らない。
「ほら…、ひくひくしてるよ…解るでしょ…?」
「やっ…、ぁ…」
首を左右に振って恥ずかしそうに瞳を臥せる姿に思わず笑みが洩れる。
なぞっていた中指の先にぐっと力を込めると、第一関節まで埋め込む。
さほど抵抗はなくてそのまま押し込むのも可能だったけど、きみは入り口もスキだから暫くそこをこね回した。
赤くふっくらと粘膜が充血して、いやらしい。
「あぁ…いやぁあ、んん、はぅう…」
ゆらゆらと誘うように腰が揺らめいて、いつの間にか開かれた瞳が熱っぽくぼくを見る。
ああもう、可愛い!
…でも油断すると、危ないんだ。
「ぐぇ」
…いきなり、首を締められた。
その綺麗で大きい手に、ぼくと同じくらいある握力で。
下からでも効果は抜群で、意識が遠のきそうになる。
必死で離れようとしたぼくの耳には、またあの甘い声。
「…はやくっ…」
もうふわふわしてきた意識のままに、中指を一気に突き立てた。一番イイとこに向かって。
「ゃあぁぁ!」
高く叫んだきみの身体が強張って、更に力が強まった。
このままでは死んでしまう…
訴える術もなく、指を動かし続ける。
体に力が入らなくなるまで御剣を気持ち良くさせないと、ぼくは解放されないらしい。
もはや死に物狂いだ。
「ひ、ぁ…ぁあ…!なる、ほどぉ…」
ごめん、そろそろ死んじゃうよーぼく。
頭がぐらぐらしてなんだか気持ち良くなってきた。
「ゃ…も…イく…!」
ぼくも、逝く…
「あ、あ、あぁぁぁあ…!」
御剣の絶叫と共に、ぼくの首にこめられた全力。
熱い飛沫がぶちまけられたのを意識の端で感じ、力を失った御剣の手が白いシーツに落ちたと同時にぼくはその白い身体に崩れ落ちた。
「ぁ…はぁ、は…っ…」
御剣は可愛らしく肩で息をしているが、ぼくは激しく咳き込んでしまう。
「大丈夫、か…?」
大丈夫な訳あるか!
「死ぬトコ…だっ、た…」
絞り出すように言って睨んだら、御剣はクスクスっと笑って首に抱きついてきた。
殺意を感じない優しい包容。
「良いじゃないか…、腹上死」
「…まだ…挿れてすら、ないんだ、けど…」
「ならば、早く来れば良いだろうが…」
笑いながら押し倒されて跨がれ、生命の危機を感じて立ち上がったぼくのものを握る。
最近知ったんだけど、男は死にかけると勃起するらしい。子孫を残そうとする本能なんだろうな…
「いく、ぞ…」
もっとも、ぼくの場合は、
「ん…ッ」
子孫なんて残せないから、
「あ、ぁ…!なる、ほ…ど」
…純粋に死ぬ瞬間まできみが欲しいって本能なんだろうけど。
ぼくの上で腰を振るきみがもっと欲しい。
下から突き上げると、恍惚の表情を浮かべて喘ぐきみがもっと欲しい。
愛しいきみが最期まで欲しい。
「あ、あ、あ…ッ!なるほどぉ、なる…ゃあぁあ!」
…良いんじゃないかな、腹上死。
その凶刃に倒れても、綺麗な指先で酸素を奪われても、どんな死に方でもさ。
「愛してる…御剣」
きみの致死量の愛で殺してくれるなら。
END
…7632hit踏んで下さった方に捧げます。
リクエストは「ヤンデレ御剣で裏」。
…ヤンデレ?
ただのナイフ依存の御剣が出来ましたごめんなさい精一杯です。
こんなのですが、よろしければどうぞ。
ありがとうございました。
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