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To:成歩堂
Sb:Re:
今日は予定がない。
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…我ながらなんと可愛げのない文面であろうか。
送ってしまってから思った。
気恥ずかしくて、予定が無いならば会いたい、と下手に出ることが出来ない。
ならばせめて「キミはどうだ?」くらいの事を書けないものか…。
このようなアレな性格を呪っていると、早々返事が来た。
成歩堂だけは着信音がトノサマンでは無いので、直ぐに解る。
指定着信音にしているなどとは口が裂けても言わないがな。
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Frm:成歩堂
Sb:本当?
じゃあ今日も会えるね!
家来る?それとも行こうか?
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あんな文面のメールでも嬉しいらしいのが文章から伝わってくる。
少しだけ申し訳ない気持ちになりながら返信をした。
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To:成歩堂
Sb:Notitle
ならば、家に来たまえ。
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また直ぐに返事が来て、それは快諾された。
今夜は私のマンションの方が都合が良いのだ。
私は、成歩堂の事ばかり考えながらその日の仕事を終えた。
彼の事務所に車で迎えに行くと、満面の笑みで迎えられた。
助手席に乗るなり手を握られる。
「…ッ」
彼の体温に少し胸が高鳴る。
手を握られたくらいで…
私達は付き合って1ヶ月。
口付けも交わしたし、それ以上の事もした。
ただ、一度だけ。
告白されたその日の内に行為に及んで…それきり何も無しだった。
彼が私を心から好きなのは疑いようもない事実だが、体はそうではなかったのだろうか…
気を抜くとそればかり考えてしまう。
「運転出来ないだろうが…離したまえ」
心を落ち着けるために深呼吸をし、車を発進させる。
今夜こそは…そう思っているからだろうか、少しぎこちなくなってしまい、彼に体調を心配されてしまった。
マンションに着くと、勝手を知っている彼は我が物顔でソファーに腰掛ける。
私はジャケットを脱いでハンガーに掛け、ラフな服装になってから尋ねた。
「今日は飲むのか?」
「ああ、うん。明日休みだしね」
「ワインで良いか?ビールが切れている」
「ん、勿論良いよ」
にっこり笑って頷いたキミには悪いが…嘘だ。
買ってあった缶ビールは隠してある。
私の作戦の為に。
「あ、先シャワー浴びて良い?」
「うム…」
これも好都合だ。私は彼を見送ると、ワインを開けてグラスに注いだ。
いつもならば揃ってから開けるのだが…今日はそうはいかない。
…私は、引き出しから出した小瓶の中身を、一つのグラスに混入させる。
…まぁ勿論、そういう類のアレである。
もう私は我慢出来ない。
「お待たせ、御剣。次どうぞ」
「ああ、解った」
何気ない会話を交わしてソファーから立ち上がった。
色々な事を想像してしまっていたせいで、彼の濡れた髪や体を直視出来ずに浴室に逃げる。
「はぁ…」
脱衣場で服を脱ぐと、私の下半身は浅ましい有り様になっていた。
落ち着け、もう少ししたら思う様彼に扱いて貰える。
いつものように私の手を求める必要は無い、と自分の分身を見下ろし語りかける。
…何をやっているのだ、私は。
我に帰り、体を洗う。いつもより念入りに、念入りに。
彼が新鮮で良いと言ってくれたラフなジャージとTシャツ姿で彼の元に戻ると、律儀に待っていてくれた。
「乾杯しようよ」
彼の正面に座り、グラスを持ち上げる。
軽く傾けて乾杯、と言うと、赤ワインに口を付ける。
…白だと、色が着いたらバレてしまう可能性があるからな。
しかも、味で気付かれないよういつもと種類を変えている。完璧だ。
暫く話をしながら見守っていると、彼はおつまみを食べつつ飲み干してしまった。
もう直ぐだ、もう直ぐキミは高まる熱を持て余し、私の体を狂ったように求めるだろう。
私も、残ったワインを一気に飲み干した。
…おかしい。
そろそろ効く頃の筈なのに…
彼はベッドの上で私を抱き締め、いつものように眠りに付こうとしている。
……代わりに、私の体が疼いている。
期待してしまったせいばかりではない、あからさまにおかしな熱が這い回っているのだ。
…まさか、私がシャワーを浴びている間に、何かあって彼がグラスを入れ替えてしまったのだろうか?だとしたら不味い。
彼に仕掛けた薬の効果が私にそのまま出てしまう…
ともすれば熱い吐息を洩らしそうになる。
トイレで自分を慰めるしかない、そう思って彼の腕から抜けようとしたが、眠ってしまっていて離してくれない。
起こして今の顔を見られる訳にもいかず、私は抱き締められたまま身悶えるしかなかった。
下半身に熱が集まり、意識がそちらにしか向かなくなってくる。
彼の匂いと体温、寝息がそれを助長させて息が荒くなる。
「はぁ…っ」
ゾクゾクと背筋を駆ける快感。
酷いではないか、ずっと欲求不満を持て余し耐えていた私に、こんな仕打ちはあんまりだ…
何故キミは私を求めないのだろう、私はこんなにキミに抱かれたいのに。
「っく…はぅ…」
もう、限界だ。いくら緩いジャージの中とはいえ、堅く大きくなったそれが苦しかった。
抱きついていた腕を外し、ズボンをずらしてそっと取り出す。
彼の前でそのような行為に至るには抵抗があったが、耐えられる筈もなく、自身を握り込んだ。
「…っ」
触れても居ないのに、既に硬度は十分になっていてビクビクと震えている。
握ってしまうと最早歯止めが効かず、上下に扱いてしまう。
左腕も彼から離し、其方では先端を弄った。
尿道口を抉るように爪を立て、ぐりぐりと動かすと、強すぎる刺激に声が洩れてしまう。
「あぁ!はぁん…ッくぅ…」
成歩堂を起こしてしまう、なけなしの理性が奥歯を噛みしめさせた。
それでも溢れる。
体全体を走り抜ける痺れに体が引きつり、ビクビクと跳ね上がってしまう。
彼の安らかな寝顔を見ると、背徳感と同時にどうしようもなく欲情してしまって、私は泣きそうになりながら絶頂を目指した。
何故、キミは私を抱こうとしないのだろう、こんなに、こんなに好きなのに…
何故、触れてくれないのだ…
どうして、この手はキミのものではないのだ、成歩堂…
「ぁ、あぁあ…成歩堂…な、るほどぉっ…!!」
そして、結局絶叫しながら果ててしまったのだった。
「はぁ…ぁ…は…」
呼吸は乱れに乱れ、手のひらの中の自身はごぽごぽと白濁を零す。
彼の顔を見ようと顔を上げる。
「…っ!!!?」
…目が合った。彼が、しっかりと瞳を開いて私を見ている。
見られてしまった。私が、彼を呼びながらあさましい行為に耽っている場面を。
布団が体を覆ってはいるが、確実に気付かれているだろう。
目を反らせず、見つめ続けると無表情だったキミが、いきなり口角を上げた。
「…なぁに、してるの…御剣…」
いつもより低く、体の芯に響く声でキミが笑う。
一気に顔が血走ったのをありありと感じる。
「あ…こ、これは…その…ッ」
「ふふ、知ってるよ…薬のせい、でしょ…?」
私は叫びそうになるのを押し留めた。
何故、何故知っているのだ…!
「嘘じゃないか、ビール切らしてるなんて…押し入れで偶然見つけちゃったよ…。缶で不都合なコトって、何かを盛るときくらいだよね」
成歩堂は自分の頭を腕に乗せ、クスクスと笑いながら私を見下ろしている。
「い…いつから起きて…」
「んん?寝てるなんて、一言も言ってないけど」
「な…!!!」
眩暈を覚える。最初から…全て見られていたというのか…!
ふいに、反対の手が私に向かって降りてくる。反射的に瞳を閉じた。
「みーつるぎっ」
いきなり体に重みを感じる。
瞳を開くと、起き上がったキミがのし掛かっていた。
私を見下ろす瞳は性的な色を含んでいて、全身が粟立つのを感じた。
吐息が洩れてしまう。
「寂しかったの?」
頭を撫でられ、その表情は優しく微笑んでいる。それは確かに愛する者に向ける瞳で、たまらなくなってぎゅっと抱き付いた。
「ごめんね…もう、止まれないよ」
密着した体、キミの熱は一箇所に集まっていて、私の下腹部に押し付けられた。
「な…成歩堂…っ」
「あんな声聞いちゃったら…そりゃねぇ」
のびてきたキミの指先が、するりと私の首筋を滑り、ぷつぷつと器用にもパジャマのボタンを外していく。
そして耳元で囁かれた。
「一生懸命抑えてたのに。きみを壊しちゃいそうでさ…」
クッ、と喉が鳴った。何となく野性味を帯びた獣のような笑顔。
はだけた胸元に舌が這い、指先では突起を捕らえられた。
「あ…っ」
そんな場所は性感帯ではない筈なのに、過去に一度だけそこで感じた快楽をこの体は覚えていた。
ひくひくと体が痙攣するのを隠せない。
「開発する必要もないくらいだね…自分でしてたの?」
違う、そんな場所は弄っていない。
そう答えようにも、唇を開けば甘い吐息が漏れそうで、首を左右に振る事しか出来ない。
そんな私の様子を意地悪く口角を上げて見つめる成歩堂は、更に胸への刺激を強くする。
胸板を滑っていた唇も手が触れていない方の乳首を捕らえて、舐め上げられた。
吸い上げたり、弾いたり、押しつぶしたり、引いてみたり、思いつく限りの方法でそこを責め立てられる。
ぷくりと膨れた私の突起が赤く色づいているのが、時折見えてしまう。
「ぁ…ふぁ、ん…」
薬のせいだけではない、私はそこが弱いのかもしれなかった。
どうしようもない快感の波が下半身に響いて疼く。
「ぁ…ぁうぅ…」
喘ぐ私の気付かない内に、成歩堂の開いている手は、私の腰に添えられ、脚を曲げさせていた。
半分脱げていたズボンを片手で取り払われる。
キミの前に私のアナルが晒され、顔が赤く染まっているのをまざまざと感じる。
成歩堂がベッドサイドを探り、瓶を取り出した。前に使った後に置いていった、潤滑剤。
それをトロトロと垂らされ、滑る指先で私の秘部を擽るように撫でる。
胸への刺激を止めないままに弄られ、痛みはさほど感じないままにだんだんと指は私の内部に差し込まれる。
「力、抜いて…」
熱い吐息が耳に掛かり、ぐ、とキミの指が私の中に押し入ってくる。
違和感はあるが、薬で高められている体はそれ以上に快感を欲しているのか。
これから行われる行為への期待に息が上がって、体は小さく震えていた。
「痛くないよね…?すぐ気持ち良くしてあげるよ…」
ずるり、多分届く一番奥まで、キミの指を感じる。
早く動かして欲しい、いや、動かさないで欲しい…
きっとこの指が私を刺激し始めたならば、直ぐに私は狂ってしまう。
そんなのは嫌だ、という私の願いは聞き入れられる筈もなく、ニヤリと笑うキミの意思を持って、私を追い詰める行為は始まった。
はじめはゆっくりと、だんだん早く抜き差しされ、曲げた指の腹は、勝手を知っているかのように感じる場所を押さえて。
ただ一度きり体を繋げただけなのに、的確に私は乱される。
「ぁああ…だめ…だめぇ…、成歩堂…」
あまりの快感に私の思考は最早、何も考えてはいなかった。
ただ目の前のキミを求めるばかり。
「御剣…御剣、此処気持ち良いの…?」
其処だけではない、キミに触れられた場所全てが甘く切なく疼くのだ。
キミの口付ける場所、撫でる場所すべてが…熱くて。私はあられもなく乱れてしまう、愛しいキミの眼前にあさましい体を晒して。
嬉しいのか、泣き出したいのか自分でも解らない。
いつの間にか増えた指が慣らすように粘膜を掻き回す。優しくも性的なそれ。
彼のものをそこに受け入れられる体にする為の儀式であると考えただけで、快感に繋がる。
ただ加速する脈に合わせてくらくらする体で、しがみついて泣き喚く。
私はおかしいのかも知れなかった。
「御剣、ぼくもう、限界だよ…きみが欲しい…」
ふいに、全ての動きを止めてキミが囁いた。
欲情しきった瞳を見つめ、その言葉を理解した頃にはもう、彼のものはあてがわれていた。
「ぇ…?あ…ま、待って…」
「待てないよ」
心の準備も出来ていない、重い身体で夢見心地のまま。
ぐ、と力が込められた。
「あぁぁあ…!」
「ん…ッ」
キミのものが、キミが…私の深い場所に、押し入ってくる。
熱くて、大きくて、硬い。思わず引きつれたような声で叫んで、涙が溢れた。
痛みや快感を凌駕する、キミと繋がっている喜びからであることは、胸の疼きが証明していた。
「なる…成、歩…堂…なるほどぉ…」
ぼろぼろと無様に涙を流しながらしがみつく私を不審に思ったのだろうか、私の顔を少し不安げに見下ろす黒い瞳。
ぎゅうっと抱き締めて、普段の私なら口に出そうなどと考えもしないことを。
「…はやく、気持ち良くして…」
…言ってしまった。
キミは一瞬キョトンとした表情を浮かべた後に、無言のままに彼自身を最後まで突き刺して。
私が声を上げながら跳ねるのを、クスクスと笑いながら見下ろしていた。
「仰せのままに…」
抑えた低く掠れた声が私の脊髄を痺れさせる。その余韻に浸る間もなく、内部から快感がもたらされて。
「あっ…ぁ、あ、あ!」
大きく腰を打ち付けられると、ぐちゃぐちゃといやらしい音が立つ。
それが全て私のものではないと解っていても、耳を塞ぎたくなるほどに卑猥だ。
私は女性でもないのに、キミのものを鍵と鍵穴のようにぴったりと包み込んでいる。
その鍵が私の享楽の扉を、静かに滑らかに、開いてしまうのだ。
「あ…あぁ、気持ち良い…気持ちイイっ!」
前立腺を激しく突き上げ、カリで入り口を引っ掛けられ、どんどんと高まってしまう。
それはキミも同じのようで、何とか私に笑んで見せた。
その表情にすら魅せられ、絶頂への階段を二段飛ばして駆け上がる私は、キミが好き過ぎるのだろう。
もうだめだ、全身がビクビクと跳ねて、熱くて、耳は君の声しか捉えない。
気持ち良い、死んでしまう。
「も…嫌ぁぁ!イくッ…!」
そう叫んですべてをぶちまけた私は、体の奥深くに飛沫を受けて、がくりとベッドに体を預けた。
「はぁ…はぁ…っ」
肩で息をする私に折り重なる成歩堂も、荒い息を吐いている。
それを聞いていると、また胸の奥がぎゅっと締め付けられるような感覚に陥る。
薬のせいだ、そう言い聞かせて。
私はキミを抱き締めて、囁いた。
「…もっと。抱いてくれ」
その誘いに対して、キミが優しく笑ってくれたのが、何より嬉しかった。
一度目、優しく優しく開かれた扉。
ニ度目、再び開いたらもう閉じることは不可能になってしまった。
壊れてしまった金具。
蝶の代わりに番になったのは、私とキミ。
END
ちょうつがいって言葉が何か好きです。
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