「今日も勝ったね!」

「ギリギリ、ね…」

裁判所の廊下を歩きながら、ニコニコ笑う少女とグッタリした青年が会話している。

「みつるぎ検事さんを黙らせちゃって、流石は恐怖のツッコミ男!って感じだったよ」

「その変なアダナ決定なのか…?」

疲れているのか、もはやツッコミも弱々しいツッコミ男。

「しかし、なるほどくんにツッコまれまくるみつるぎ検事さんも大変そうだよねぇ」

「悪いけど、仕事だし…(…ん?なんかその言い回しエロいな)」

心の中で変な事を考え始める成歩堂。

「突き付けられて激しくツッコまれてしつこくゆさぶられて、大変だねー」

「突き付けられて(何を?)激しく突っ込まれて(ナニを?)しつこく揺さぶられて(ええええ!)………ッ!!?」

鼻血。(裁判所の廊下で。)

「きゃあ!なるほどくんが血を!」

「だ…大丈夫だよ真宵ちゃん…」

「そ…そう…?」

周りに誰もいなくて良かった、とハンカチを鼻に当てる成歩堂。
見た目は普通だが、妄想レベルはMAXの状態である。
つまり、ぶっ壊れている。

「しかし、しつこく揺さぶるって…。ぼく…そんなにしつこいかなぁ…(セックスが)」

「しつこいよ!恐怖の粘着質男だよ!(裁判が)」

軌道が逸れた成歩堂に気付かず、徐々に会話が噛み合わなくなりつつある。

「もうちょっとあっさりにした方が良いのかな…。」

「何言ってんのー!あれくらいやらないと!みつるぎ検事には勝てないよ」

「……だよねぇ。あれくらいヤらなきゃ落ちないよね?」

あはははは、と2人の穏やかな笑い声。
彼の脳内はピンク色で全く穏やかではないのだが。

「若い時から沢山経験してるみたいだけど、こんな粘着質な弁護士は初めてだと思うよ!」

「確かにね…(小学生のときからずっと好きだったんだから)……って、え…ナニ?若い時から…沢山…?御剣が?」

成歩堂の表情が変わる。

「だって、二十歳からずっとでしょ?色んな相手とやってるよそりゃ」

「はあああああ!!?」

色んな相手とヤってる!!?
二十歳からずっと!?
何それ、どのようなアレだよ!?

「何!?なるほどくん静かにして」

いきなり叫びだした成歩堂を裁判所の外に引っ張っていく真宵だが、彼は完全に錯乱している。

「み…」

「み?」

「みつ…」

「……」

「御剣の馬鹿ぁぁぁぁあああ!ぼくがはじめてだって言ったのは嘘だったのかぁぁぁぁあああ!」


彼は真宵の手を離れて、検事局の方へダッシュして行ってしまった。
取り残された真宵はただ呆然とするばかりであった。



真宵ちゃん、いつもお疲れ様!