「なるほどくん大人気だね!」
「へ?何が?」
いきなり満面の笑みで言われ、戸惑う成歩堂。
真宵は手にしたものを彼の目の前に差し出す。
それは大量の紙の束。
「年賀状すごくいっぱい来てるからさ!」
「あ、ああ…事務所やってるとね。依頼人とか、関係者とか」
「あー、こっちも出したもんね。500枚くらい?」
「死ぬかと思った」
あはは、と笑い返し真宵は年賀状をめくる。
パラパラと見ていたが、気になる物があったのか、手を止める。
「お!結婚しましたーだって!」
「ほんとだ」
それは昔の依頼人からの年賀状。
結婚式の写真がでかでかと使われている。
「奥さん綺麗な人だねぇ」
「あー…………」
「なるほどくん?」
「………みつるぎにウエディングドレス…」
「………はぁ?」
「絶対可愛いよっ!」
「…キミは何を言っているのだね」
「あ、みつるぎ検事だ」
扉を開き、ナチュラルに入ってきた御剣。
盛大に溜息を吐いている。
「御剣ィvv結婚しようよぉvv」
飛びつく成歩堂。
「……まだ早い」
迎撃する御剣。
「(みつるぎ検事、拒否はしないの…!?)」
内心ツッコむ真宵。
「じゃあ婚約指輪買いに行こうよぉ」
「…男二人で?」
「御剣が女装しt…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい何でも無いです」
御剣の視線が突き刺さる。
針の筵状態になりながらも成歩堂は続ける。
「じゃあぼくが女装するよっ」
「なるほどくん、きもちわるい。…ところで、腰を折るようで悪いんだけど」
「話の、って言ってよ…」
「婚約指輪って…ゆくゆくは結婚でもするつもりなの?」
「「え?」」
見事なユニゾン。
シンクロ率100%な成歩堂と御剣。
「海外に渡って式を挙げる予定だが」
「心配しなくても真宵ちゃんも呼ぶよ」
「三十路までには籍を入れたいものだ」
「ええええええ…(結婚するのは良くて、指輪見に行くのは恥ずかしいの…?)」
「で、指輪。どうやって買いに行く?」
「うムぅ…」
「あ、そうだ。ぼくが真宵ちゃんとカップルのふりしてペアリング作って、別の日に真宵ちゃんと御剣が同じの作れば…」
「あたしを巻き込まないでよ」
「…成歩堂…」
突然、暗い声色で呟く御剣。成歩堂は不思議そうな表情を浮かべる。
「ん?御剣…?」
「そんなのは嫌だ…」
「ちょっ…!な、何で泣いてるの…!」
彼の瞳からはボロボロと涙が溢れ出している。
「演技でも…キミが別の人間と、恋人同士なんて…っ」
「御剣…!ごめんね、泣かないで…」
「う…なるほどう…」
「愛してるよ、御剣」
成歩堂は御剣を抱き締める。
イチャつきはじめた二人を横目に、真宵は溜め息を吐いた。
このバカップルにはついて行けない。
彼女はそっと事務所を後にした。
な んだ こ れ
こそこそまさにヤオイですね。
ちょっと脳みそ休めに。
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